シンガポールの雑誌、FuturArc Magazineの主催するコンペ、フユーチャーアークプライズにて2等賞を受賞しました。ヴォ・チョン・ギア、岩元真明との協働。
今回のコンペの課題は、「生産的都市ランドスケープ:アジア都市における農業生産と収穫」。拡張するアジア都市の中で消滅していく農地、農業の商業化が進み生産性を高めるために使用される農薬や肥料による長期的な健康懸念。最終的に都市から廃棄される生ごみの無分別とその埋め立てによる温室効果ガスの発生。そのさまざまな都市と農生産にかかわる問題にたいしての提案を求められました。
私たちは高密度化する都市の中にあって、子供たちが農業に触れる機会がなくなり、どのように野菜が育ち、どのような苦労、工夫、喜びがそこにあるのかを知ることができなくなったことがひとつの問題であると考えました。かぼちゃ、たまねぎなどの野菜がどのようになっているのかさえ知らない。そんな若者が増えているのは日本もベトナムも同じ状況です。
そこで公共施設、とりわけ教育施設の屋上を農地として使い、子供たちの教育に使うことを主題とした”Farming Kindergarten”を提案しています。子供のうちに農業について肌で感じることで、食の大切さ、楽しさについて感じてもらおうという試みです。ここで育まれた手の行き届いた安全な野菜たちは、子供たちの給食にも用いられ、食の安全と自ら作った野菜を食べる喜びを実現します。この都市の中に還元されたささやかな農地は、子供たちの貴重な農業経験として役立つことにより面積以上のインパクトを都市に与えます。現在わたしたちの進めている幼稚園"Farming Kindergarten"を具体例として提示し、より説得力のある提案としています。
プレゼンテーションパネルへのリンクは下記。
FuturArc Prize 2013 – 2nd prize - Farming Kindergarten