ファッションデザイナー、レ・ハーさんの目線に見たベトナムの未来:ハノイ・カルティベート・トーク

第11回目のハノイ・カルティベート・トークは、会を運営してきての始めてのベトナム人スピーカーとしてフランスで学んだファッション・デザイナーのレ・ハーさんをお呼びしました。先月開催されたサクラ・コレクション・ベトナムの審査員をされていたことから、モア・プロダクションのつてで紹介いただきました。

初めてお会いするレ・ハーさんの印象は、すらりとした体型に黒いシックなスーツをまとわれていて聡明な感じだけれど、距離は近いという雰囲気。トークもとても流れがきれいで、ベトナム語、日本語の交互通訳ということを感じさせない、すばらしいお話を聞くことができました。

掲げている目標の高さ

自身のブランドLEA'Sの紹介から、デザイナーとなる経緯、デザインの方針、教育への思い、会場とのコミュニケーションという、非常に明快に構成されたお話は終始とても興味深いものでした。

自身のブランドで大切にしている3つの基準、

1)現代的要素を入れること。

2)世界に出せるレベルのデザインとすること。

3)使い勝手の良いデザインとすること。

は、建築での自分たちの取り組みにも近いものがあり、共感した部分。

また、大学では、「好きな仕事であれば、目標があって努力すればできないことはない」というふうに考えて学生と接しているレ・ハーさん。自分が時間、労力、お金をかけて学んできたことを短時間で伝え、育っていってほしいと考えているそう。非常に強い信念と、教育に携わる喜びが伝わってきました。

そのほかに個人的な興味を引いた話題としては、原宿のような、見せる見られる関係のあるストリートという舞台がないベトナムでは、若者はホットボーイ・ホットガールの集まるカフェへおしゃれをして出かけること。足をだすファッションは、韓国からの影響が大きく、ベトナム独自の流行でないこと。ベトナムの人たちがファッションの楽しさに触れることをまず重視したいことから、管理の難しく大量生産にむかないベトナムシルクなどの伝統的な材料を使うことは今のところ考えていないこと。ベトナムの女性がおばちゃんでもタイトな服を切るのはそのほうが痩せて見えると考えているから。など。

LEA'S のショールームに行ってみて

お土産としてハンカチとショップで使うことのできるバウチャーをみなさんにもいただき、気配りのすばらしさにも感銘をうけました。といわけで早速、今日は彼女のブランドのショールームをかねたショップである21 Tran Binh Trongに家族でいってきました。(LEA'Sのホームページ

日航ホテルから徒歩圏内のお店の隣は、よく建築家のHaoさんがいるCafeで、個人的にもなじみのあるとおり。歩道から細い入り口のステップを3段のぼって入ってみると、おしゃれな女の子が2人の店員さんを相手にたくさん試着をしてお気に入りの品を物色していました。うちの奥さんにもいくつか試着してもらって感じたのが、ラインのきれいさと洋服のかたちがひきだす気品のある華やかさ。シンプルなデザインは日本人にも好かれるものであると思います。うちの奥さんも手ごろなものをひとつ購入。

今回はベトナムから、ファッションデザインを世界に発信しているレ・ハーさんを見て、ベトナムの未来がとても明るいものになりそうな兆しをかんじました。これからのご活躍も楽しみです。

HCT11運営チーム:勝恵美、竹森紘臣、永沼さん、丹羽隆志

次回はカルティベート・トークをはじめてから1周年をむかえます。

記念すべきHCT12は2014年12月20日(土)18:30より、ジャパンファンデーションの図書館にて会を一緒に主催してきた建築家の竹森紘臣さん(worklounge 03-)にお話いただきます。詳しくは、ハノイ・クリエイターズ・クラブのウェブサイトをご参照ください。

  • この記事を書いた人

丹羽隆志

建築家【経歴】東京都立大学&大学院(深尾精一研究室) ▶︎ 岡部憲明アーキテクチャーネットワーク ▶︎ VTNアーキテクツ パートナー ▶︎ 2018年4月にハノイで独立 ▶︎ 2020年サイゴン川歩道橋コンペで優勝 ▶︎ 妻・子ども3人 ● 一級建築士/ベトナム政府公認建築家/日越大学客員研究員 ● 石川県出身