勝恵美さんの撮るベトナムの原風景は懐かしく温かい:「ハノイ・カルティベート・トーク02」

ハノイ・カルティベート・トーク02 勝恵美

ベトナムに来て、12年。

旅行、出版、写真というベトナムの魅力を発信するフィールドで一環して活躍されてこられた勝恵美さん。

テト正月も間近の夜、ハノイ・クリエイターズ・クラブによるハノイ・カルティベート・トーク、第2回目でお話していただきました。今回の会場はカナデ・カフェ。20人あまりの方々に参加していただき、熱気あふれるトークイベントとなりました。

ベトナムの風景を知り尽くしている勝さんが撮りおろす風景は、ベトナムのエッセンスを凝縮したもの。ベトナム在住10年を契機につくられた『望郷 – Bo Kyo』と名づけられた写真集には、10年間のあいだに撮りためられた写真の中からなんだか懐かしく温かいエッセンスとも呼べるベトナムの原風景がおさめられています。

今回は、その作品集の中にとりあげられている写真の撮影秘話をお聞きできました。

 美しい写真を撮るチカラ

お話をとおして一番印象にのこったのは、写真をとらえる瞬間の話。

漁師の動きを敏感に察知したり、道端の風景をセオムから飛びおりておいかけたり、ドアの前におきる出来事をじっと待ったり。

一期一会の瞬間を発見するチカラ。そして、それをあやまたず撮りおろすチカラ。さらに、その写真の中から素晴らしい写真を選び出すチカラ。その3つのチカラに運が味方して、うまれる素晴らしい写真たち。いや、その運さえも引き寄せる勝パワー。「写真をとっていると子供たちだけでなく大人もよってくるベトナムは、写真天国」と笑う勝さん。写真と同時に、勝さん自身の魅力を感じさせていただいたトークとなりました。

 カメラは相棒

最後に、知っておくと写真が上手になるコツも教えていただきました。世界は18%グレーでできているというカメラのプログラミングモードの癖とその修正方法。カメラと人の眼の特性の違いを知ることで可能になる表現の奥行き。そして画角をえらぶさいに要素をマイナスしていく具体的な事例など。

ちょっとした知識で、ただ使うだけではなく、表現方法としての写真が身近になってくるとても有益な講義で、カメラを相棒としてその癖も使いこなそうという写真家のたゆまぬ思考がつたわってくる後半トークでした。

写真:スケッチ・ベトナム最新号の2014年2月号。「ベトナムの日本人」コーナーには、ハノイ・カルティベート・トークのコーディネーションをしてくれている竹森紘臣さんが掲載されています。

フリーペーパーでありながら、毎号感心させられるほどのクオリティを生み出している「ベトナム・スケッチ」。そう感じさせる理由の一端が勝さんの写真であることは間違いないでしょう。

今では、スケッチにかかわる傍ら、さらに活動の場を広げている勝さん。今後もハノイのクリエイター活動の最先端をさらに切り開いていかれることと思います。これからのご活躍が楽しみです。

ハノイ・カルティベート・トーク02 運営チーム

竹森紘臣、丹羽隆志、トラン・ダイ・ギア、白井大介、伊藤雅

次回ハノイ・カルティベート・トーク03のおしらせ。

第三回は、べとまるの編集長、水嶋健さんことネルソン水嶋さんをホーチミンからお呼びいたします。「ベトナムは、ネタ天国だ。」と題して、ベトナムを発掘する情報サイト「べとまる」を中心とした活動のこれまで、と、これから、をお話していただきます。

「写真天国」で「ネタ天国」。勝さんの会にひきつづき、2月22日(土)の夜は、さらにベトナムの魅力を味わえる一晩となると思います。みなさま、ぜひご参加ください。
ハノイ・カルティベート・トークについて、詳しくはこちらのfacebookページにて最新情報をアップしております。

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